今日のイッピンはオクラです
オクラの原産地はエジプトやエチオピアなどアフリカ北東部と考えられていて、エジプトでは紀元前から栽培されていました。 アメリカへは18世紀に伝わり、19世紀になってから栽培が行われるようになったそうです。 日本へは幕末にアメリカから入ってきましたが、一般家庭の食卓に並ぶようになったのは1970年頃から。
オクラはハイビスカスに似た美しい花を咲かせる植物です。オクラは葉の根元に莢(さや)状の果実(オクラ)をつけます。その果実(オクラ)は数日で成長します。成長しきってないオクラが食用になります。オクラは成長しすぎると、すぐに固くなってしまいますので食用に向きません。
日本に伝わった当時、オクラはその独特の粘り気に好き嫌いが分かれていました。だから、日本人はオクラを観賞用にしていました。これが理由で、オクラが食用としての普及するまでにずいぶんと時間がかかりました。
現在、流通しているオクラは断面が五角形のものがほとんどです。しかし、沖縄や八丈島で採れたオクラは断面が丸いものもあります。
このオクラ独特の粘りの成分は、水溶性食物繊維(すいようせいちょくもつせんい)のペクチンとムチンという複合(ふくごう)たんぱく質です。ペクチンには血糖値の上昇を抑え、血圧を下げる効果があります。ムチンは胃粘膜の保護やたんぱく質の消化を促進する効果があります。他にも、オクラはカロテンやビタミンB1、B2、ビタミンCやカルシウム、マグネシウム、カリウムや亜鉛、食物繊維などを栄養たっぷりです。オクラは体の免疫力を上げる万能野菜なのです。
オクラは冷蔵庫に入れていてもあまり日持ちがしません。そのため、買ってすぐに食べない場合は、新鮮なうちに冷凍保存すると良いでしょう。オクラを冷凍する時は、まず板ズリをして細かい毛を取り除きます。次にオクラをさっと茹でて水気を切り冷ましてから、ラップで包んでフリーザーバッグに入れて冷凍しましょう。またオクラを使うときは自然解凍しなくても、凍ったまま切ることも出来ますので手軽にお味噌汁などにも使えます。
最近はオクラと同じネバネバ食材の納豆やメカブやガゴメなどとオクラを和える(あえる)食べ方も流行っています。オクラのようなネバネバの食材を食べるのが、ちょっとしたブームになっていますね。