ジャガイモ

今日のイッピンはジャガイモです

欧米主導の歴史を作った野菜 フランス革命も産業革命もジャガイモから

「じゃがいも」の原産地は南米アンデスからメキシコにかかる高原地帯(海抜5,000~3,000m)で、野生種は広範囲に渡って見られます。ペルーからチリにかけての地域は世界三大穀物の一つであるトウモロコシの原産地でもあります。じゃがいもは紀元後500年頃から栽培され、世界遺産である空中都市マチュ・ピチュの段々畑でもじゃがいもを栽培し、インカ帝国の重要な食料源となっていたのです。

その後、インカ帝国へ遠征を行ったスペイン人により16世紀、ヨーロッパへと広められます。
しかし、当初は食べ方をよく知らなかったこともあり、食中毒を起こすなど評判が悪く、なかなか食用には浸透しませんでした。花や真っ赤な実を観賞する為の観葉植物としての栽培が主だったようです。

食料としての普及は、深刻な食糧飢饉に悩むドイツのフリードリヒ大王が、「じゃがいも」の生産性に目をつけて栽培を奨励することで、大きな広がりを生むこととなります。

日本へは慶長3年(1598年)にオランダ人が長崎に持ち込んだのが最初で、ジャワのジャガトラ港経由(現ジャカルタ)だったため、「ジャガタラ芋」と呼ばれ、それが「じゃがいも」の由来となったと言う説や、ジャガトラ港には由来せず、当時のジャワがジャガトラと呼ばれていたから等、諸説あるそうです。

日本においても当初は観葉植物としての色合いが濃く、食用としてなかなか普及しませんでした。
「じゃがいも」の本格的な栽培は北海道へと移ることとなります。

北海道では宝永3年(1706年)に栽培が記録されていますが、本格的な栽培は明治以降になります。
北海道開拓史によって、アメリカ・ドイツ・イギリスから「じゃがいも」が北海道へ導入されると、高原地帯の原産であることからも伺えるように、北海道の気候・風土に適合し、大々的に栽培・定着し、今では広大なじゃがいも畑は北海道の代表的な風景とまでなっています。

ちなみに、「じゃがいも」として食べている部分は「塊茎」とよばれる地下の茎へと養分が蓄えられたもので、「さつまいも」は「塊根」つまり、根に養分を蓄えたものと、共に「いも」でも、食べている部分は違うのです。みなさんしっていましたか?

「じゃがいも」は世界中に約2,000の品種があると言われていますが、現在、日本で栽培されているのは、その中の約20品種程度です。