今日のイッピンは鰻です

うなぎは高級品で土用の丑の日に食べるものというイメージがあるかもしれませんね。けれども実は、夏バテ解消に効果的であったり、ここぞというときに力をつけるためにでひ食べたい食材です。

土用の鰻ブーム

土用の丑の日に鰻を食べる習慣が始まったのは江戸時代です。医者で発明家の平賀源内が、知り合いのうなぎ屋に「この時期暑くて、どうも売れない。何かいい案はないか?」と相談をもちかけられたところ、平賀源内は筆をとり、「本日、土用の丑の日、鰻の日」と書いて貼り出しました。平賀源内先生が言うのだから間違いない、ということで民衆が押しかけ、店は大繁盛、ほかのうなぎ屋もこぞって真似をしたから、あっという間に広まったといいます。つまり平賀源内が考えた「キャッチコピー」なんです。狂言師の大田蜀山人によるものだという説もあります。現在は、土用の丑の日にうなぎを食べることの効能が栄養学的にも解明されています。

うなぎには夏の季節に不足しがちなビタミン、ミネラル類が多く含まれています。最も多いのはビタミンAです。肌荒れや視力低下を防ぐとともに、粘膜を正常化させて風邪などを防ぐ効果もあります。免疫機能が高まることから、がん予防にも作用します。ビタミンAは脂と一緒に摂取することで吸収率が高まりますので、脂がのったうなぎとの相性も抜群と言えます。肝の部分、肝焼きや肝吸いなどは栄養満点です。皆さんも夏バテ防止にうなぎを食べてよりよいバランスで栄養補給をしてはいかがでしょうか?

夜のお菓子ウナギパイ

静岡の浜名湖に名産、夜のお菓子「うなぎパイ」があります。一家団欒のひと時をうなぎパイで過ごしてほしいという願いのもと、考案されたものです。当時、浜松は高度経済成長期で女性の社会進出が進んだ時代、忙しい家族が揃う夕食の団欒の時間が大切にされたと言われ、その時間を表す「夜のお菓子」と名付けたのでした。しかし、当時の浜松において夜の繁華街は全国屈指と呼ばれ賑わっていた時代でした。このキャッチフレーズを目にしたお客様で、精力増強のうなぎと結び付けてあらぬ解釈をしてしまった人も多かったようです。しかし「うなぎパイ」は実際のところ精力増強の話は別として、うなぎパイ6本分に含まれるビタミンAは、蒲焼100gに含まれるそれ相当し、元気回復、夏バテ対策、視力回復などの効果が期待できると言われ、栄養価の高いお菓子としての一面ももっています。