今日のイッピンは桃です

暑さで人や植物が元気のなくなる季節に、美味しくなる桃は疲れた体を元気にしてくれます。桃の原産国は、中国と言われています。誕生したてのときは”毛毛(モモ)”という名のとおり、硬い果肉の表面がたくさんの毛で覆われているものでした。桃は「西遊記」の主人公、孫悟空が食べたことでも有名ですよね。昔、中国で桃はただの果物ではなく、特別なものとして見なされいたようです。それは、桃源郷の不老不死の”仙果(せんか)”として考えられていたのです。

桃の歴史

桃が日本に伝わったのは、古事記や日本書紀などの記録によると、弥生時代に伝わり、平安時代にはすでに水菓子として食べられていました。けれど、当時のモモは今のようにそれほど甘いものではなかったため、観賞用または薬用のものとして使うことのほうが多かった、とも言われています。

明治時代に入って、強い甘さが特徴の水蜜桃が輸入されるようになり、多くの人が口にするようになりました。そして、実際に日本でもモモが栽培されるようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。

本格的な栽培が始まったのは、明治時代だとされています。明治32年には桃作りに情熱を注いでいた大久保重五郎氏が新種の”白桃”を発見し、それが岡山特産の白桃のルーツとなりました。彼は”明治の桃太郎”とも呼ばれていたようです。それ以来、次々と新種のモモが誕生しました。

美味しい桃の見分け方

1.左右対称で形のよいもの

あまりに横に広がったような形状の桃は、中の種の部分がしっかり固まっていないのが多いです。専門的には核割れ果実と呼ばれ甘みが少ない桃が多いです。

2.うぶ毛がしっとりしている

果皮のうぶ毛がしっとり寝たようなのがお勧めです。

3.白い点が全体に散らばっている

同じ桃の木でも、育つ部分によって太陽の当たる量は変わってきます。太陽にたくさんあたった桃が甘い桃になるのですが、そうした桃の表面にはそばかすの様な白い点、正式な名称は果点が多く見られます。

4.皮の表面にある線が深くない

桃の果皮の表面に縦に伸びる線(縫合線)の付近の深い桃は避けたしょう。

桃の食べごろの見分け方

美味しい桃を選んだら、桃は常温で保存しましょう。桃はとっても香りのいい果物なので、ついつい食べてしまいそうになりますが、ここは心を鬼にして桃の食べごろを見極めます。

1. 軸がついていたくぼみの内側の色を確認

まず、桃を手の平でひっくり返して、軸のついていた方を上にします。収穫したての桃は軸がついていたくぼみの部分が緑色です。食べごろを待っている内に徐々にクリーム色に変化して来ます。

2. くぼみの内側をそっと押してみる

くぼみがクリーム色に変わってきたら、くぼみの内側をそっと押してみましょう。果肉にやわらかさが感じられれば食べ頃です。まだ固いようだったら数日置いておくのがお勧めです。